SVOLMEがサポートする『カフリンガ東久留米』は関東フットサル1部リーグに所属し
女子チームの『カフリンガ東久留米BOYS』も女子関東フットサルリーグに所属する
フットサルの競技系チームとして、その名を馳せる存在。
2015年には下部組織となるカフリンガ東久留米U-15を設立。
さらに2022年に女子中学生クラブとして『カフリンガジーニャス東久留米』も設立した。
下部組織では男女ともにフットサルクラブとしてだけでなく、サッカークラブとしても活動をしている。
なぜフットサルとサッカーのハイブリッド型のクラブを作ったのか?
その答えを、元SVOLMEカタログモデルでもあるチームの代表・垣本右近氏、U-15監督・中畑辰弥氏、現チームキャプテン・美馬豊選手 三者のインタビューから探る。

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ジュニアスクール卒業生の声に応えて設立

ーー右近さんが2005年にトップチーム・女子チームを結成されて10年後、2015年になってジュニアユースチームを作ろうという想いに至った経緯をお聞かせください。

垣本右近(以下垣本)
元々、小学生対象のジュニアスクールは2008年に立ち上げていました。そんななか卒業した子どもたちが、”ジュニアユースがあったら行きたい”という気持ちを持ってくれるようになりました。ただ、作るにあたってはスタッフやグラウンドなどの環境面のこともありますし、なかなか難しくて。それでも2015年に1期生にあたる子どもたちが入団を熱望していたこともあり、設立に至りました。

ーー同じような形で今年女子中学生クラブカフリンガジーニャス東久留米(以下ジーニャス)という女子チームができたのですね。

垣本 そうですね。ジーニャスもこのタイミングでそういう子どもたちが多くいて、設立いたしました。女子フットサルTOPチームには関東女子フットサルリーグに所属しているカフリンガBOYS東久留米があり、女子選手から「女の子の環境をもっと作ってあげたい。」と話がありましたので、設立することは常に視野に入れていました。クラブとしても、1年に1つは新しい取り組みをしようと決めていて、今回はそれが”女子ジュニアユースチームの結成”でした。

ーー素晴らしい一歩ですね。一方で男子チームは、サッカーT3リーグ&フットサル東京都リーグに所属をしています。フットサルとサッカーを両立しているからこそ、それぞれの実戦の中で活かされる強みやプレー、そういった部分を感じる瞬間があれば教えて頂けますか。

垣本 現代サッカーというのは、5年前にフットサルでやっていたことがようやく取り入れられるようになってきたと感じます。”言語化”と言うフレーズが最近はよく耳にしますが、「ワンツー」や「オーバーラップ」「ターン/マノン」という様な言葉は昔からありましたが、「数的優位性」「ライン間」「トランジション」や「レーンの管理」など、より具体的な表現が用いられるようになりました。これらはフットサルだともう5年も前からやっていて、それをどうサッカーとリンクさせるのかと長年考えてきたところが、ちょうどいま一致したな、という印象です。

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言語化×多様性 = 未来の日本サッカー

ーー確かにフットサルの戦術はものすごく多いというイメージがあります。

垣本 フットサルの選手からしたら当然のことで、チームにもよりますが細かいものも含め各チーム30~50個は戦術を持ち合わせているのがフットサルです。でもサッカーからしてみれば初めてのことで、今の指導者の方たちはそれを勉強しチームに取り入れ始めた段階だと思います。ただ現在指導している40歳50歳60歳ぐらいの人たちは見たり聞いたりして学ぶことができますが、実際プレーしていないので、今ここにいる子どもたちが指導者になる年齢になったときに、日本サッカーが変わっていくだろうという思いでやっています。『フットサルの言語化』と『サッカーの多様性』この両方をカフリンガでは子どもたちに教えています。

ーーカフリンガでプレーしている人の中にはプロ選手を目指し、日々一生懸命練習に取り組んでいる子どもたちも多いと思います。プロの道ではなく指導者の道に進むとなったときに、今おっしゃったような「言語化する力や経験値を還元できるような子どもたちが多く育って欲しい」ということが期待していることの1つでもあるのですね。

垣本 そうですね。フットボールに関わって、どうやって今後の人生を豊かに幸せに生きていくのかっていうのが我々指導者に課された課題です。カフリンガではこれを『フットボールハッピーライフ』と呼んでいます。日本で言うと6-3-3教育が文化としてあり、子どもたちが中学3年と高校3年の10月ぐらいで引退して…。そもそもスポーツに引退って必要なの?こういう文化はヨーロッパにはあまりないことです。ヨーロッパでは地域にスポーツクラブがあり、ジュニアチームがあり、ジュニアユースチームがあり、ユースチームがあり、社会人チームがあり、シニアチームがあってと常に次のカテゴリがあるので引退なんて言葉はありません。結局我々がやらないといけないのは、サッカーを生涯スポーツと捉えおじさん(社会人/シニア)サッカーの層をもっともっと増やすことです。フットボールという競技に限らずこのカテゴリのプレイヤーが増えれば、指導者や活動場所が増え、より専門的な指導がある環境が増えていくと思います。そうすることで、日本サッカー界の底上げにも繋がり、サッカー人口が増え、グラウンドもたくさん整備され、代表のレベルも高まっていくのかなと思います。現在の日本のスポーツ文化の中ではまだ難しいですが、カフリンガとしては社会人カテゴリやシニアカテゴリの環境をたくさん作り、子どもたちがプロ選手、指導者になれなくても、サッカーに関わりながら、素敵な生活を営んで欲しいというのがクラブとしての願いです。

ーー最後に、右近さんが日々様々なカテゴリを指導されるなかで大切にされていることはありますか。

垣本 どのカテゴリの選手においても、その現場に来るということは何かを犠牲にしています。例えば、勉強の時間とか、仕事の時間とか。家族と過ごす時間とか。ここに来たら「楽しい」と思える時間にしたいなと思っています。女子の練習もそうですし、シニアの練習も同じです。やるなら勝ちたいし、勝つ為にハードワークやインテンシティがあるトレーニングも大切です。ただ最後は笑って終わりたいなと。指導も厳しく、きついフィジカルトレーニングもしますが、”楽しむことは忘れずに”、ということをいつも大切にしています。

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