2022シーズンより
國學院大學サッカー部の
ウェアサプライヤーを務めることになった
SVOLME。
現在東京都大学サッカーリーグ1部を
戦場とし関東大学リーグ昇格を目指す
同チームで2021シーズンから
監督を務める白須真介氏に話を伺う。
國學院大學サッカー部が
目指すチーム作り、今後の展望を聞いた。

大学4年間という時間の中で、選手たちの成長を見られることが大学で指導していく上での醍醐味

ーー今から6年前、2016年に白須さんがヘッドコーチとしてサッカー部に招聘された経緯、また2021年から監督に就任された契機を教えて下さい。

白須真介(以下、白須)
2014年までは中央大学で監督を務めていましたが、翌年1年間は所属するチームがなく、この年の暮れぐらいに前のヘッドコーチの方から連絡が来て「自分が出るので國學院に来てくれないか」というオファーを頂きました。2021年から監督になりましたが、個人的には“監督”にあまりこだわっていなくて。チームが運営できて、選手と今のような形で関わる時間が作れれば、監督でもヘッドコーチでも良いと思っています。ただ、長く見ていきたいという想いはあったので、その意志が中山さん(國學院大學サッカー部OB現総監督)にも伝わった部分もあり、任せて頂きました。今はその体制でスカウティング活動を含め二人三脚でやっていて、そういった取り組みが学生コーチをはじめ後輩たちにも繋がり、一生懸命やってくれているので、この流れはどんどん作っていけたらなと思います。

ーー白須さんの監督就任前、國學院大學は2009年に関東大学サッカーリーグ2部に昇格を果たしました。2シーズンを戦い、2011年最下位で東京都リーグに自動降格。このような長く苦しい時間を過ごしていたチームを立て直す為に指導の中で大切にされてきたことは何でしょうか。

白須 前の方とサッカーそのものが違うので、それを浸透させるのに2~3年かかりました。簡単に言えばロングボールを多用するチームから、パスで繋ぐチームですね。あとは選手の考え方のところで、よく矢印・ベクトルという言葉を使って例えるのですが、私が入ってきた当初はそのベクトルが外に向いている選手ばかりで。人のせいにする、言い訳をする、そういう選手が多い集団でした。そこを徹底的に直して、自分たちの矢印の方向を自分たち自身に向けさせて、それでもプレーにはミスが起こるものなので、そのときにどう捉えてどう対応していくか、という考え方の部分は改善してきました。

ーー入学&卒業で選手の入れ替わりがある中、チームの基盤を築き上げていくのは苦労する部分かと思います。先輩から後輩へ、“関東リーグ昇格・定着”というモチベーションを維持させるために心掛けていることは何かありますか。

白須 「仕組み」ですね。組織として、勝つチームを作っていくということです。考え方は人それぞれですが、能力のある選手たちを中心に、学年問わず起用する、という監督は多くいらっしゃいます。ただ、私の信念的なものは、大学4年間の中で4年生がどう経験を蓄積してどう力を発揮するのかという部分にあります。この部分は昔から変わりません。年ごとに4年生によってチームカラーが変わることはもちろんありますが、ベースとなるコンセプトは変えずに、チーム自体が信念を強く持ってできるようにしています。4年生にはまず、チームの方針、昨シーズンを通して出てきた課題など、もっとこうしていかなければいけないという点と継続してやっていこうという部分と、シーズン初めに決めさせます。それを下の学年に落とし込んでいく。4年生は自分たちが決めた目標に対して責任を持って取り組む。誰もができるシンプルな当たり前のコンセプトにしていく中で、全体でそれを運営していく。もちろん上手くいく時とそうでない時とあると思うので、それを私が見てアドバイスするという感じです。こういった仕組み作りはモチベーションを維持させるためにしていることですね。

ーー仕組みを作り、人間力を高める育成をされている上で、卒業後の選手たちに期待する精神面や考え方があれば教えて頂けますか。

白須 人としては、社会に貢献できる人になって欲しいですね。何をもって貢献するのか、というのは4年生の就職活動の中で見つけ出せればベストだと思います。その中でサッカーに携わるという選択をしてくれる選手も中にはいて、そういった選手に関しては私ができるだけ全面的にサポートしていきます。民間企業への就職活動においても、自己分析をしたり、色々な人の前で挨拶をしたり、普段のサッカー生活ではしないようなことが経験できます。それは就活から帰ってきたときの4年生を見れば成長したというのが凄く分かります。サッカーをしていなければ成長しないというわけではもちろんないので、様々な角度から自分を見つめる時間があって、課題をみつけて、成長に繋げる。4年間でサッカーを通じて、どういう風になりたいかと自分と向き合い、更に就職活動を通して、何を目指すかの方向性を決める。チームとして目指しているものに、全員が同じベクトルを向いているとは言っても少なからず差は出てくると思います。それはそれで、違う方向を向いた選手たちを上手くコントロールしなければいけません。その毎日の繰り返しですね。そう考えると4年間ってあっという間です。それでも成長している4年間を試合に出る出ない関係なく、そういう選手たちの時間を見ることができるのは大学を指導していく上での醍醐味だと思っています。

ーー先週からトップチームはリーグ戦が開幕しました。見事初戦を勝利で飾りました。今季のチームの見どころを教えて下さい。

白須 チーム全体がアンダーも含めて、関東昇格に相応しいチームかどうか。ここを見てくれというのはなかなか難しいと思うのですが…。だからこそトップの選手たちが自分たちから示していく。去年の課題にもあったのですが、”試合中にリーダーシップを執れる選手がいない”と。そういう意味では今年の4年生は意識的にそれを実践するようになってきました。4年生がやることで下の学年もプレーしやすくなります。問題がないシーズンなんていうのは存在しないので、それをどう解決していくかというのが大事です。今シーズンは何か問題が起こったときに自発的に気付いて自らリーダーシップを執り行動できる選手たちなので、そういう集団がチャンスを掴む。こういったところは見どころかなと思います。

ーー最後に、今後のビジョンをお聞かせください。

白須 常に”日本一”を目指してやっています。ただ日本一になるためには段階があるので、まずは関東昇格です。日本一というのも、他のどの大学にもできない國學院にしかできないチームを作りたいと思っています。私としては正直、”関東昇格”や”インカレ優勝”は褒美でしかないと思っているので、そこを目指すよりもうちならではのオリジナルなチームを作っていきたい。國大にしかできないものを今後も追求し続けていきます。

ーー「日本一」良い響きですね。まずは“関東昇格”、応援しています!