かねてより東京の“古豪”と称されてきた堀越高校サッカー部と、2006年に創設された東京発祥のスポーツブランドSVOLME。
全国選手権において東京代表校のユニフォームサプライヤーとなるのはブランド立ち上げ以来初となるSVOLMEが、同校OBで現監督の佐藤実さんを通じて、強豪堀越の魅力に迫ります。

INTERVIEW

まず今回、大会直前の忙しい中、お時間を割いて頂きありがとうございます。
早速ですが、1月2日(土)に控える大社高校(島根県代表)戦に向けて、選手たちの現状のコンディションをお聞かせください。

佐藤監督

今年はコロナウイルスの感染が一番の懸念材料としてあったのですが、今のところしっかり活動もできていますし、本大会に向けて準備できている部分で言うと、順調に来ているかなという印象はあります。

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選手たちの自主自立が当たり前に徹底されているからなのか、全体の士気やチームパフォーマンスの安定に影響している部分もありそうですね。
東京予選では随所で「ボトムアップ理論」が話題になっていたと感じるのですが監督ご自身のボトムアップという考え方との出会いを教えていただけますか?

佐藤監督

コーチとして堀越高校に帰ってきた当時は、このまま進めていても果たして東京で勝ち残ることはできるのか、堀越の色とは一体何なのか、と疑問がありました。
何かしら、堀越の色を付けたかった。そんな中2006年に広島観音高校がインターハイで初制覇を成し遂げていて、そこで「ボトムアップ」という考え方を知りました。
実際、一昔前のうちの選手はというと、あんまりサッカーを楽しそうにやっていないように見えていました。監督・コーチからやらされて、怒られて、指導者側もそれを正して、みたいなやりとりをしている時間が凄くもったいないなという思いがあって。“好きで始めたものが好きじゃなくなってしまう“のは大人の責任で、やり方の問題なのでは?と感じるようになりました。
好きで始めたものを更に繋げていけるようなものが「育成」だと思っていますし、それをまた、発展させていくことが重要だなと。当初、結果が出るかどうかは正直わかりませんでしたが、こういう方向にシフトしていかないとまずいだろうなという危機感はありました。

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嘗てコーチとしてチームを見ていたときに抱いていた思いを体現する形で現在の選手たちに定着させている、というのは非常に感慨深いお話ですね。
一方でトップダウン方式からボトムアップに転換しても、選手の自主性には限界があると思うのですが、“どのタイミングで関与する”とか“この状況では一歩引いて見る”など主体的に行動させる上で何か心掛けていることがあれば、教えてください。

佐藤監督

基本的には、基準がぶれていなければ何をやってもいい、と思っています。
今うちが確立しているサッカーの基準だとか、そこから考えられるサッカーのマインドが合っていれば何をやってもいい。それは試合でも同じじゃないですか。
試合が始まったら指導者はピッチに入っていけないわけですし、ずっと選手たちがやるわけなので。それに大人が入って、止めて、修正して、ということがサッカーの現場ではできません。タイムアウトができないスポーツなので。
ゲームが始まったらあとは選手たちを信じて任せる、そんな感じでやっています。

それが上手くいかなくなってきたときや、ちょっと悪くなってきたときに「ここはこういう風なんじゃないの?」という修正は手を差し伸べますけど、その手を借りるか借りないかは彼らが判断することです。その判断の要素の括りは日頃から出してあげるように心掛けています。あんまり彼らにとってストレスになってしまうことはできるだけ言わないようにしていますね。言ったとしても「聞き流していいよ」とか。ここは上手くやり取りしています。彼らが「これは必要なことだな」と思ったら聞き入れるし「必要じゃないな」と感じたら流すし。こういう関係性は恐らくできているのではないかなと思っています。
“気付きを与える”というと大袈裟かもしれませんが、何かに気付いてもらうといった基準を高めていくことが大事だなと感じます。

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指導者と選手間で共通のマインドを持っておく、その精度を磨き上げるというのがボトムアップの本質なのですね。話は変わりますが、SVOLMEとしてチームをサポートさせて頂いてから約5年が経ちました。SVOLMEとの出会い、また他社にはない良さを教えていただきたいです。

佐藤監督

SVOLMEさんとは前社員の方がうちのOBだったということもありその方に繋いでいただいて、出会いましたね。ブランドとしては、当然以前から知っていました。FC町田ゼルビアさんや、エスポラーダ北海道さんをサポートされていたので。そんな中で代表の渡邉さんとも出会って、とにかく「一緒にやりましょう」ということを強く言って下さいました。他のメーカーさんだと、担当の方は来るかもしれませんが、社長さんとお付き合いすることはまあないので。モノを買う、売ってもらうとかだけではなくて、違う意味でサッカーの基準や「こういうスタイルでやっていきましょう」といった提案までしていただき一緒にチームを作っていけるのではないか、というのがSVOLMEさんの魅力だと感じました。そういう部分で僕らのマインドとSVOLMEさんのマインドが合っていると思っていて、それをしっかり広げていきたいという気持ちでいます。

東京発祥のブランドで、東京を代表するチームなので。これを更に、全国に、世界になんて言ったらちょっと語弊があるかもしれませんが、大きくしていくというところに関しては非常に共感させてもらっています。僕らも協力をして、SVOLMEさんのマインドにより合うようなチームに近付けたい、というのが率直な思いです。

他社にはないイメージでいうと、斬新な色使いが真っ先に出てきますね。高校サッカーの場合だと、ある程度色や形が決まっていますが、見栄えは大体似通っていても、やっていることが実はかなり濃いというか。昔からのマインドもしっかり持っているし、そういった面がやるべきことをやっているということに繋がっていると思っています。外見だけではなくて、中身もさらに良くしてSVOLMEブランドの価値も上げられるような活動を今後もしていきたいです。

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ありがとうございます!SVOLMEとしても常に目標を定め、高みを目指していきます。
最後に、29年ぶり3度目となる全国の舞台での意気込みを、お願いします。

佐藤監督

これまでの29年間、なかなか達成できなかった目標にやっと到達できました。その中に多くの支えがあって、多くのOBたちが苦しんでやってきましたが、結果が出ませんでした。たまたま今年、求めていた結果が出ました。その人たちの積み上げてきたものに対して、しっかり恩返しをしたいと思います。結果云々ではなくて、皆さんの心に届くような、そんな試合を繰り広げたい。我々に興味を持って見て下さる方々に、刺さっていくようなゲームを1試合でも多くやれるように準備していきたいと思っています。

SVOLME社員一同、全力で応援しています。がんばってください!

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佐藤 実

1976年5月5日生まれ。 堀越高校サッカー部OB。サラリーマンをしながら関東リーグでプレーし、その後に指導者の道へ転身。 堀越高校でコーチ見習いを務め、翌年からは松商学園のコーチに就任。8年間を同校で過ごし、2007年から堀越高校のコーチに就任。 2014年に監督昇格。率いて6年目、母校を29年ぶり3度目の全国出場に導く。